2026年8月に報じられたUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)初の敷地拡張ニュースについてこれまで2回ブログで取り上げました。


今回のブログは、上記二つのブログの続編を書くつもりで「拡張予定地の解体工事はどこまで進んでいるのか?」を確かめるため、USJの外周道路を歩いてグルリと一周してみようと思ったのです。
しかし、歩いているうち、それより先に書きたいことが出てきました。
それは、8月終盤から9月にかけ、台風や秋雨前線の影響で、大雨による浸水や冠水被害のニュースを毎日のように目にしたことに関係します。
ということで今回は、パーク外周道路を歩いて一周することで見えてきた津波、高潮、洪水対策について感じたことを書くことにします。
実際に歩いてみると、2Dの地図データだけでは見えてこない高低差・標高差や、今後の拡張工事に向け、予想されることが浮かび上がってきたので、写真とともにレポートしてみます。
ユニバーサルシティ駅から島屋交差点へ 更地になった日本製鉄工場跡地と広大な敷地
商店の店舗に水が流れ込んだり車が冠水したりする被害を見るたび、土地の低さや防災対策の重要性を痛感します。
土地が低い場所は、大雨による洪水だけでなく、大地震の際の津波や高潮の被害にも直結してきます。
ワタシは2019年に「USJ内で津波警報が出た場合、どこへ避難すべきか」という記事(USJの津波対策と避難についての考察)を書きました。
このブログの中でも触れたとおり、USJのパーク敷地は作られた当初から【かさ上げ(盛り土)】が施されています。

このため、USJは周辺と比べて浸水リスクが低く抑えられている想定になっているのです。
では、詳しく書いていきます。
まずは、ユニバーサルシティ駅側の大門(メインゲート近く)脇にある階段を下り、パークの外周道路へと降りました↓
写真を見ていただくと、道路が北に向かって微妙に緩やかな下り坂になっているのがお分かりいただけるでしょうか。
位置関係としては、下のマップの★印を入れたあたりになります↓
ここから反時計回りにパークの外周を歩いていきます。
そのまま進んで島屋交差点までやって来ると、金網越しに日本製鉄の工場跡地が見えてきました↓
かつて立ち並んでいた巨大な工場建屋はいつのまにか撤去され、見事なまでの更地が広がっています。
さらに足を延ばすと、工事車両の出入り口があり、中の様子をうかがうことができました(マップ★印付近)↓

こちらの出入口から敷地内部をみた写真がこちらです↓

敷地の奥には、ハリー・ポッターエリアやスーパー・ニンテンドー・ワールドのバックヤード側と、駐車場用道路に沿って植えられている木々と、それを覆う仮囲いが見えています。

現地でこの広大な土地を直に目にすると、「単なるマンション数棟分の敷地」などとは到底思えないスケール感に圧倒されます。
ニュースで報じられている「2,000億〜3,000億円規模の投資」という数字も、これだけの広さがあれば無理もないと妙に納得してしまいました。
USJと工場跡地の境界に現れる「段差」!水害・津波に備えた4mかさ上げの秘密
さらに歩いていき島屋ランプ交差点を曲がり、桜島駅方面へと向かって進んでいきます↓
この島屋ランプ周辺の土地は、大阪市が所有する約3万1,000平方メートルの市有地にあたるエリアです。
そして、下の写真が「USJの敷地」と「日本製鉄の工場跡地(大阪市所有地側)」との境目を撮ったものです↓
左側の工場跡地に比べ、右側のUSJの敷地が高く作られているのが一目瞭然です。
これこそが、USJが建設時に施工した「かさ上げ(盛り土)」の証です。
なぜUSJはこれほどまでに敷地を高く盛り土したのでしょうか?
その答えを示すヒントが、解体途中だった日本製鉄の建物の壁に残されていました↓

壁面に設置された標識を拡大してみます↓
↑「予想津波高 海抜4m地点(予想津波高さ 此花区 4m)」と書かれています。
南海トラフ巨大地震などを想定した此花区の津波予測高さ(4m)を踏まえ、USJは開業当初からゲストの安全を確保するために高低差を計算し、盛り土を行っていたわけですね。
テーマパークとしての華やかさの裏にある防災インフラ設計が隠されていました。
この「4mのかさ上げ」がどれくらいの高さなのか、先ほどの更地写真にイメージのラインを引いてみました↓
手前に停まっているトラックの高さと比較してもらうと、ピンク色で示した盛り土が相当な高さであるかがお分かりいただけるかと思います。
今後、賃貸借契約が成立して日本製鉄跡地の6万平方メートルがUSJのパーク敷地として新アトラクションや新エリアに生まれ変わるとします。
となると、この広い土地全体に大量の土を入れて盛り土をするか、あるいは地下・地上構造物として嵩上げ設計をするなど、膨大な土木工事が必須となるでしょう。
南北で異なる標高差と国土地理院の地形データが示す防災の「断層」
さらに外周を歩き進めるうちに、もう一つ気づいた点がありました。
USJの敷地は、全体として「南が高く、北が低くなっている」という自然な傾斜標高差があるのです↓

上の写真は、島屋交差点から少し南下し、USJオフィシャル駐車場の入口方面を見たものです。
写真では伝わりにくいですが、奥(南側)に向かって道路がじわじわと高くなっているんです。
この道路の左手側がUSJの敷地になるのですが、正面近くから見るとこのような高さになっています↓
ピンクのラインを引いた位置まで、USJの地面が高く盛られているわけです。
歩道を通行する人と比較した縦位置の写真をご覧いただくと、その段差の凄さがより実感できるはずです↓
歩いている人物の背丈と比べても、かなりの高低差があることが分かります。
その後、オフィシャル駐車場の入口を過ぎて少し進んだあたり(マップ★印付近)までやって来ました↓

このあたりで、パークのかさ上げ区間が終わりを迎えます↓

この場所は、昨年の関西万博シャトルバス乗り場に向かう際などに何度も通っていたのですが、当時は意識していなかったのでまったく気づいておりませんでした。
この立体的な地形の違いを視覚化するために、国土地理院の地図データを使ってみました。
まずは通常の平面地図です↓

これに高低差の陰影をつけ、立体的に可視化した地図がこちらになります↓

周囲の平坦な土地に比べて、USJの敷地だけがクッキリと高くなっているのが一目瞭然ですね。
ここに日本製鉄の工場跡地(拡張予定地)を重ねて見ると、さらに面白いことが分かります↓

USJが高く人工的に造成されているため、陰影のある地図で見ると、日本製鉄との境界線にまるで『断層』が走っているかのように見えるのです。
昔から「USJはかさ上げ・もしくは盛り土されている」という知識自体は頭にありました。
今回、敷地拡張のニュースを機に自分の足で外周を歩き、地図データと照らし合わせてみると、津波・高潮・ゲリラ雷雨による洪水対策がいかに徹底されているかを実感させられました。
これは自然災害に度々見舞われてきた日本だからこそ行われた誇るべき事例と言えるでしょう。
今後、2028年4月の賃貸契約に向けて土地の土壌調査や整備が進んでいくようです。
拡張部分も既存パークと同等の安全基準を満たすため、大規模なかさ上げ造成工事、もしくは、2階建て、3階建ての工事が行われるはずです。
この部分は当たらなくてもいいので今後の展開予想を一言添えるなら、2028年以降は新エリア建設だけでなく、この大規模な盛り土・インフラ土木工事そのものが最初の見どころになるのではないかと見ております。
パークの安全を守る知恵と、新たな拡張への期待。現地を歩いたことで今後のニュースがますます楽しみになりました。
また新たな動きがあればブログで報告しますね。
また、X(@USJ_YOTA)やInstagram(@usjyota)でも、現地で撮影した写真や最新情報を発信していますので、ぜひフォローしてくださいね!


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